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ニッキみたいなもの
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- 2011.02.09
SS「ああ、占星術」
SS「ああ、占星術」
いきなりですが、SSです。(宇宙人1/2・・リューと彩の会話です)
↓↓
「おまえの誕生日っていつだっけ??」
リューは、ひさしぶりに同居人に誕生日を聞いた。
リヒャルト長官直々のトレーニング、そしてシャワーで一汗流した後、彼の日本人の同居人は、お気に入りのこたつに身体を半分埋めている。
実は、相手が4月とか・・春生まれらしい事は覚えていた。
しかし、日にちを間違えたくなかったので、あらかじめ確認をとったのだ。
「牡牛座だけど…」
彩は、暇そうに答えた。こたつ布団を顔のところまであげてモフモフしながら。
実は、“趣味の検定試験”が差し迫っている中で、彼に時間はなかったはず…なのだが、どうにも暇に見える。
「…ひょっとして。間違ってたら悪いけど」
とリューは前置きをして、
「5月だったっけか?」
ちゃんと4月という確証があったものの、自分の思い込みでない事を祈りたい。
「4月だよ」
彩は、自分のことを話したがらない。
聞かれた以上に答えない。
むしろ、聞かれた問いについては答えたがらない。
おそらく、彩の中では誕生日の日にちよりも、星座のほうが話したい話題なのだ。
わかっていても、物事を順序だてて話したいタイプのリュー・ウェンは
「後半だよな?」
と、また確認をとった。
「ああ」
短く返事をした後、彩はリューに向かって
「きみは、たしか乙女座だったよな」
と聞くわけではなく、確信めいた言葉を吐いた。
「ん~まぁ、そうだよ。へぇ、それで?」
少々困ったなという表情を浮かべながら、それでもリューは、この扱いにくい同居人の性格を知り抜いていた。
自分の話したくないことは話さず、話したいことだけを話すという自己中心的なタイプのわりに、「我が侭キャラ」が定着していないのは、彩が「話したい」というアクションを自ら起こす事がめったにないからだろう。(深酒をしている場合を除いて)
リュー・ウェンは、そんな時の彩には、できるかぎり問いかけ中心の会話を心がけている。
「僕は…縦揺れには強く、横揺れには弱いんだ…」
彩は、情けなくうなだれて、こたつにもたれかかりながら呟いた。
「きみは…」
とリューを見つめる。
「きっと僕より横揺れには強い。なにしろ乙女座だからな」
「いや、オレだってさ。ほら、なんていうか!プレッシャーとかには弱いぜ。さっきだってリヒャルト長官に手本の相手に選ばれた時なんか、どうしようかって!」
「それは縦揺れというんだよ」
「う?」
彩の言う「縦揺れ」と「横揺れ」の区別がわからない。
リューは、頭を抱えて考えた。
-きっと自分の思考能力が足りないんだ。オレは彩の言葉をちゃんと聞いていたのだろうか-
でも、やはりわからなかった。
彩は「やはり」という顔で説明を始めた。
「縦揺れは、仕事上でも予想できないアクシデント。みたいなものだな。
突然、リヒャルト長官に呼び出されて手本の相手に指名された。みたいな。
横揺れってのは、そんな時「長官とデュエットできるからっていい気になるんじゃねぇ」とか、そういう一言」
「それは、いわば横槍ってやつだろ。しかも言った奴…わかるし」
彩は、前に長官親衛隊の凍牙と取引をしたこともあるが、基本的に気が合わず、お互いに避けていた。
彩のいう横揺れは「凍牙みたいな奴の入れる横槍」の事だろう。
「たしかに、凍牙の言葉よりもリヒャルトの相手のほうが嫌だ…」
「僕は、リヒャルトの相手のほうが凍牙の言葉より数倍いいと思う。大事な時に横槍を入れられると気が散るんだ。これが牡牛座と乙女座の違いさ」
リューがうんうんと頷いていると、さらに彩は思いついたように言葉を進めた。
「もし、ある組織を作ろうとするなら、縦揺れに強い人材を中心部に持ってくるといいかもしれない。
獅子座、牡牛座、山羊座あたりか…」
「うちの組織(SSG)だと、誰かなぁ??」
牡牛座が彩で、山羊座は…?獅子座は…?
リューがSSG内の顔を思い浮かべている中、彩は淡々と話した。
「必ずテッペンにいるオレ様な獅子座を社長に、組織を徹底的に自分色に染め上げる牡牛座専務と、24時間戦えます!の山羊座部長…」
「いや、今の説明でうちのメンバーが浮かんだから、想像はできる」
たぶん…前長官親衛隊長のイワンが獅子座だとして、彼は凍牙に卑怯な手段で陥れられてからも、実はSSGをまとめているリーダーではある。リーダーとしての器があるのだろう。そして、細かい事は気にしない性質の持ち主だ。だが、プライドが高いのが邪魔して、たまにものすごく荒れたり、落ち込んだりもしているが。
次に彩。寝顔を見られるのを嫌がったり、一人で食事をしたり、なんとなく集団の馴れ合いが嫌いそうだが、そんな独り主義だからこそ、集団を持たせたら怖い気がする…。たぶん、「自分の」集団のためなら、どんな手でも使いそうだ。オレは、彩が個人的事情のためなら「最強の男」になれるのをよく知っている。
大体、現在、このオレが“彩ワールド”に引き込まれてしまっているじゃないか!何の話をしようとしてたんだっけ?
山羊座の男に関しては、もう何も考えるまい。
現にあの人は24時間戦っている…。
「…で、乙女座が必要なんだ」
彩は、みかんを剥きながらポツリと言った。
「きみが救いだ」
「む~オレには何もできない気がする」
今まで上げられた人種ほど濃いキャラクターだとは思わない。思いたくない。
リューは、そろそろベッドに入ろうかと思っていた。
「この組織は仕事に対して容赦ない。それなりに業績は伸びるかもしれないが、潤いが足りない。
たまに出るオレ様社長の寒いギャグと、意外とロマンチストな専務の独り言ポエム、殺伐とした顔の部長がかます天然ボケ…くらいが最低減の救いだろう。…で、きみはこの会社に就職したら、どう思う?」
彩がニヤリと笑った。これが“最後だよ”とでも言いたげに。
「あ~ああ・・・、そんな濃いキャラクターの中じゃオレやってけないよ。でも、仕事だけはなんとかこなそうとする。がんばればなんとかなるさ。…それと、まぁ皆そんなに悪い奴でもなさそうだし…」
「だから、きみが救いなんだ」
「さぁてと」
と言い、彩はみかんをいつも通り丸呑みしたあと、一足早く寝床に入った。
リューは、トントンと自分の頭を叩いてみる。
「ごめん、おまえの話がよくわからない」
「いいように捕らえるといいさ。いい内容だったんだから」
「そうか、なら…いいか!」
言いながら、一足早く寝床に入った彩をリューはチラリと見た。
「なんだ?」
「いや・・・まぁ、いい意味なんだよな?おまえ、すぐにベッドに入っちまうしさ、不安で」
「・・ぁ・」
頭をかきながら、リューもベッドに入る。
彩は、オレが寝ないと寝れないんだよな・・・なんて考えながら。
しばらくして。
「こう見えても、照れてるんだから、わかれ…」
と彩の声が聞こえた。
やっぱりさっぱり彩の照れの意味がわからないが、とりあえず今日も彩と会話できた事に満足しながら、リューは眠りに落ちた。
-END-
本当は、リューは彩の誕生日を聞いてプレゼントをしようと考えていたのですが、確実に次の日に持ち越しになりました(^^;)
彩の語る占星術については、激しい思い込み(キャラクター別の)が入っているため、あまり信じないように。
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